ツルアラメ(つるあらめ)とは…………褐藻網こんぶ目こんぶ科かじめ属ツルアラメ(蔓荒目)。主に九州北部から青森周辺までの日本海に分布する、日本海特産の大型多年生のこんぶ類で、大きなものは2メートルにもなります。
岩の上を這うように根が伸び、茎の上には鋸歯のような突起の縁をした葉部が広がります。
ツルアラメの特徴は、生育する水深に高い適応性があること、日本のこんぶ科海藻では唯一ほふく根(ストロン)をもっていることです。また、ほふく根の先端にできる芽の成長による増殖と、成熟葉状体上にできる生殖細胞による増殖を行うことから、ツルアラメ(つるあらめ)は二つの方法によって増える、繁殖性の強い特徴的な海藻です。
大間漁協によると、十数年から町沿岸に繁殖し、マコンブやワカメの漁場を次第に侵食。数年前から駆除されてきました。
同漁協の調べによると、マコンブの漁獲量割合は76年がマコンブ89%、01年55%に減少したのに対し、ツルアラメ(つるあらめ)は0%から36%まで増えつづけている。


<ツルアラメの有効活用法を探る>

大間漁協と弘前大地域共同研究センター(センター長・加藤陽治教授)が共同研究を始めたところ、健康食品として有効利用できることが判明。当NPO法人アネックが協力し、大間産『ツルアラメ』(つるあらめ)を使った商品を開発しました。
当初、県や町になかなか理解してもらえず、試行錯誤してきましたが、青森市の加工メーカーの協力のもと、商品ができました。


健康な生活を送るためには、安全で体に必要な食品をバランスよく食べることが大切です。
食品には、栄養(一次機能)、味(二次機能)、生体調節(三次機能)の三つの働きがありますが、近年、栄養価(一次機能)だけでなく、体のために良い調節作用(三次機能)をもっているかが生活習慣病予防(食による一次予)の観点から注目されています。“ツルアラメ”(つるあらめ)は、ヨードやカルシウム、アルギン酸などを豊富に含んでいます。これらの栄養成分は、血中コレステロールの低下、高血圧・血糖値上昇の抑制、大腸癌・動脈硬化の予防、便秘の改善、ダイエットなどに効果があるといわれています。即ち、“ツルアラメ”(つるあらめ)は、健康に幅広く役立つ可能性を秘めた食品素材でもあります。